Home > 保険システム開発室NEWS > 生損保が保育所直営(金融庁、13年度にも解禁検討 )

生損保が保育所直営(金融庁、13年度にも解禁検討 )

金融庁は保険会社が子会社を通じて直接、保育所を運営できるようにする方向で検討に入った。保育所に入りたくても入れない待機児童問題が深刻になる一方、保険会社の間で保有する不動産を使った保育サービスへの参入意欲が高まっているためだ。金融庁は11日に開く金融審議会(首相の諮問機関)で議論を始め、早ければ2013年度にも保険業法を改正する。

 金融審は09年に保険の基本問題に関する中間報告をとりまとめた。その後、保険金の不払いに伴う経営問題が一服。少子高齢化が一段と進む状況を踏まえ、保険会社が提供する商品やサービスのあり方について本格的に再検討することにした。

 業務範囲の見直しはその一環。保険業法は保険会社が子会社で参入できる業務を限っており、保育所運営は対象に入っていない。都心の駅前などに優良な不動産物件を多く抱える保険会社が保育サービスに直接参入できれば、保育所に入れない待機児童の解消につながる可能性がある。子供向けの医療保険や傷害保険など本業の保険事業との相乗効果も見込める。

 一方、保険会社が保険金の代わりに医療や介護などのサービスを提供する「現物給付」の是非についても検討する。現物給付は07~08年にも議論したが、反対意見が多く、解禁を見送っていた。

 厚生労働省によると、待機児童の数は昨年4月時点で約2万5000人。需要に対し、保育所の供給が追いつかず、高止まりが続いている。
 保険会社では第一生命保険が自社の不動産を活用し、保育サービス大手のJPホールディングスとポピンズに業務委託する形で保育所運営に乗り出している。

 自社で直接運営できるようになれば「収益事業としてスピーディーな拠点展開が可能になる」(大手生保)、「保険商品の潜在的な顧客と新たな接点をつくれる」(大手損保)と業法改正に期待する向きが多い。

 ただ現在は、企業が保育事業から得た収益を配当やほかの事業への投資に使うと、市町村からの補助金が減ってしまう。このため政府は保育サービスを拡充するための子育て支援新制度の関連法案を3月末に国会に提出した。
 法案が成立すれば、これまで事業主体が社会福祉法人か株式会社かなどで差があった補助金は一本化される。施設は市町村の指定を受ければ、運営費が給付される仕組みになる。金融審ではこうした新制度もにらんで、保険業法改正の議論を急ぐ。

 保険会社の保育所運営について、JPホールディングスの山口洋社長は「保育事業の採算を確保するには一定の規模が必要」と指摘。法改正で保険会社が子会社を通じて保育所を運営できるようになっても、事業として成立させるのは難しい側面もあるとみる。

出典:日本経済新聞 平成24年4月11日朝刊

このページの上部へ